株主の皆様へ(第3回)
『 新事業年度である2000年度を迎えるにあたって 』
藤原 洋
当社は、公募増資で調達した資金をもとに、新たにデータセンター事業を中心とした新規事業を立ち上げつつあります。本事業は、iDC(Internet Data Center)と呼ばれる、新世代のインターネット・インフラ事業であります。この新たなインターネット事業は、インターネットが接続事業から電子商取引事業へと進化する中で、必須となる成長分野であります。また、極めて高度な運用技術と、戦略的なマーケティング活動が必要な事業でもあります。
当社としましては、これまでの日本インターネットエクスチェンジ(株)殿、NTTドコモ(株)殿をはじめとする通信事業者へのインターネット技術支援事業を通じて蓄積したノウハウをもとに、本事業を日米の最有力のパートナー企業との合弁事業として進めております。そして、4月から合弁会社であるグローバルセンター・ジャパン(株)への技術陣の重点シフトを開始しております。この合弁企業を通じて、国内最大手の基幹業務系情報処理企業であるNTTデータ(株)殿との業務提携を行い、NTTデータ大手町ビルに国内最大規模の(有効面積約3000平方メートル)データセンター第2サイトをこの7月1日にオープンいたしました。新事業年度の幕開けにふさわしい出発ができたと考えております。
現在、この大規模データセンターの営業状況は、極めて順調で、当社の2000年度の事業計画における飛躍のためのステップを確実に固めつつあります。さらにグローバルセンター・ジャパン(株)では、第3サイトの準備に入っており、本データセンター合弁事業が、当社にとっての基幹事業として確立していくものと確信しております。これまでの3つの事業であるIOP事業(インターネット・オペレーション:通信事業者向け運用技術支援)、ADR事業(アドバンスト・リサーチ:政府の次世代インターネット受託研究)、およびPDS事業(プロダクト・デベロップメント・サポート:ネットワーク機器を運用する立場からの機器メーカー向け製品開発支援)が、コンサルティングを中心とした事業であったのに対して、今回新たに立ち上げつつあるデータセンター事業は、合弁会社運用部門のアウトソーシング事業であり、スケールメリットを追求できるビジネスモデルであります。
1999年度第4四半期から開始したこの新事業は、2000年度には、本格事業展開期に入ってまいります。1999年度第4四半期からの業績は、新規事業の準備を行なっていた第3四半期までと比較して大幅に改善しております。この新たなフェーズに入った事業成長戦略をご理解頂きたいと存じます。
また、第4四半期は、決算の最終4半期に相当するため、最終決算結果の公表に向けて、現在、監査法人とも連携のうえ、決算確定の手続きを進めている最中であります。8月24日過ぎには、正式な決算数値を、株主の皆様にお伝えできる予定です。さらに、2000年度半ばには、データセンターの次に来るべき新たなインターネットの発展を主導する企業として、新事業のビジョンを発表させて頂きますので、ご期待頂きたいと存じます。
今後とも、引き続きご支援ご協力の程お願い申し上げます。
2000年7月18日
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 藤原 洋