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所長コラム

株主の皆様へ(第9回)

『 IT産業失速基調の中における当社の役割について 』
~ 創業期・拡大期から収益性に力点を置いた成長期への移行 ~

藤原 洋

 当社の株主の皆様には、アメリカにおける「IT産業失速」による業界全体の閉塞感が漂う中で、最近実に多くの叱咤激励を頂く機会が増えております。お蔭様で当社のIR担当の業務が質的・量的にも拡大しており、まだまだ不行き届きの多いことと思いますが、できる限り株主の皆様のご要望・ご質問・ご期待に沿えるように尽力していきたいと思っております。そこで、今回は、日頃株主の方々から頂いている共通的なご質問に答える形式で私からのメッセージとさせて頂きます。

1.『データセンター事業』の行方について

 当社のデータセンター関連事業は、2000年2月以来当社の重要顧客の1つであるグローバルセンタージャパン株式会社(GCTR)への技術支援事業を柱としております。同社は、51%が米アジアグローバルクロッシング社、38%がソフトバンクネットワークス株式会社、11%が当社による合弁会社であります。設立当初からの資本金25億円とし、出資比率を原則的に維持した上で、段階的に60億円までの増資を計画しておりました。そこへ2000年秋、当時専業データセンター事業者最大手の米エクソダスコミュニケーションズ社と、米グローバルクロッシング社のデータセンター子会社である米グローバルセンター社との間で買収契約が締結されました。この買収契約に則って、当社を除く大株主間で、今日米エクソダス社の日本現地法人とGCTRとの統合化か、それ以外の道かを探る交渉が行われてきました。GCTR大株主から私が得た印象としては、アメリカにおけるドットコム崩壊などの諸要因によってエクソダス社の業績が急速に悪化したため、日本での事業拡張に踏み込めない状況になったと思われます。この結果、GCTRは、独自で積極的な営業展開を行うことを決断しました。ここ数週間の間に、早速、大型の受注案件が2件まとまりました。ようやく独自の営業展開を行えるようになった同社は、インターネット・データセンター事業の草分けとしての自負と責任において、増資計画の見直しなども含めて、成功へのステップを歩み出すことと、期待しております。

2.日経新聞報道に対する見解

 7月中に2度にわたって当社の決算予想と事業分析に関する日経新聞独自の報道がなされました。日本経済の動向を報じる最大のメディアに特集的に取り扱われたことは、極めて光栄に思います。全体的なIT産業の失速とITベンチャーの苦境が伝えられる中で、どうしてもそのような論調にならざるを得ない状況にあると理解した上で、当社から追加説明を株主の皆様にさせて頂きたい点がありますので、以下に述べさせて頂きます。

(1)「約70億円の投資の大半が、ネット企業で赤字」という報道について
 当方の見解:投資の主要3社は、パソナテック(26億円)、タウ技研(11億円)、パソナ(10億円)ですが、これらは、すべて非ネット企業です。また、これら3社は、すべて黒字企業であります。
 また、各社の具体的事業内容として、パソナグループはIT技術者の人材派遣であり、タウ技研は、産業交通制御機器・家電機器・情報通信機器の開発支援事業です。この主要3社は、当社の今年度(第6期)からの連結決算、特に営業利益(のれん代償却を除く)面で大きく貢献するものと期待しております。

(2)「高速ネット通信事業の価格優位性がない」という報道について
 当方の見解:同事業は、主要な情報通信関連企業との合弁事業として展開を予定しております。具体的なサービス仕様・価格体系などは現在精査中であり、公式発表していません。未発表なサービスにそのような断定的な表現がなされることは、適切なことではないと考えます。

 当社も創業5年目を迎え、最初の3年を創業期として位置付け小規模ながら黒字体質を作ってきました。上場期の第4期から第5期を拡大期と位置付け、公募増資で得た資金をもとに次の成長を探る先行投資と企業買収を行いました。第6期からを成長期と位置付け、事業規模と収益力の拡大を重視した営業利益最優先の経営方針で事業展開を行っていきたいと存じます。株主の皆様には引き続きご指導ご協力のほどお願い申し上げます。

2001年7月
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 藤原 洋

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