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所長コラム

株主の皆様へ(第29回)

『 ブロードバンド版プロジェクトXを目指して 』
~ 日経新聞記事の意味するところ ~

藤原 洋

 株主の皆様には、ご存知かとは思いますが、2004年4月7日にブロードバンドタワーとNHKエンタープライズ21の共同コンテンツ制作に関する記事が掲載されました。本格的なブロードバンド時代を迎えて、通信メディアとしてのインターネットの役割が放送文化の裾野を拡げるという社会性を持ちつつある今日この頃ですが、今回は、ご多忙な株主の皆様にこの掲載記事の意味と本プロジェクトの目指すところについて述べさせて頂きます。

1.日本経済新聞本誌および日経速報ニュースの記事内容
  (2004年4月7日23ページ、4月6日22:06)

 以下の記事が掲載されました。
 「インターネット総合研究所のデータセンター子会社、ブロードバンドタワー(東京・中央)は、NHK系列のテレビ制作会社、NHKエンタープライズ21(東京・渋谷)と共同で、ドキュメンタリー仕立ての広告制作を始める。製品完成の経緯を再現するなどの形で新製品の特徴を説明し、販売促進効果を高める」という視点で報道されております。放送コンテンツは、NHKの公共放送としての役割と民放の広告収入による無料配信という役割で成立してきましたが、インターネットの普及に伴い、「広告は主にネット上のウェブサイトで放映する。広告内容の企画などをブロードバンドタワーが、演出など技術的なアドバイスをNHKエンプラが担当する。」という役割分担での制作にスポットが当てられています。企業が製品を開発する過程では製品開発に関わる感動のドラマが常に存在するわけですが、そうして苦労して開発した自社製品をアピールするために、各企業の「新製品の企画段階から撮影スタッフを入れたり、完成までの逸話を開発担当者に語ってもらったりする。開発、製作する上で気を配った点などをアピールすることで視聴者に製品の特徴を印象づける。」としており、この点を是非アピールしてみたいと考えております。

 ビジネスとしては、「1作品当たりの放映時間は60-90分を予定。シリーズ物として何回かに分けて放映する。放映した広告をDVD(デジタル多用途ディスク)ソフトにして無料配布することもできる。1カ月に1 作品を制作、年間10億円の売り上げを目指す。」ということで、従来にない新たなブロードバンドコンテンツ市場を開拓できるものと確信しております。

2.本記事掲載の意味と本プロジェクトの目指すところ

 当社の企業理念は、「Everything on IP, and IP on Everything」ということで、あらゆる情報、文化、社会活動をIPネットワーク上に実現していくというものです。今回のプロジェクトは、日本独自の放送文化を支えてきたNHKが公共放送として培ってきたノウハウをNHKエンタープライズ21殿を通じビジネスベースで御伝授頂き、企業活動の背景にある『感動』の本質について迫ったコンテンツ制作とIPネットワークへの配信を行おうというものです。これまで、NHKの人気番組であるプロジェクトXは、VHS、カーナビ、複写機など日本の技術陣が産み出した多くの社会的知的資産を紹介してきましたが、公共の電波を用いたNHKの放送コンテンツには、私企業の活動をクローズアップするには限界がありました。しかしながら、インターネットというメディアは商業性と公共性との中間的存在であり、スポーツの祭典であるオリンピックが公共性を保ちつつも商業性を導入することで復活したように、事業採算性のあるコンテンツ流通メディアとして確立していくことが強く求められています。IRIグループの中核企業であるブロードバンドタワーは、名前の通り「ブロードバンド・インターネットの世界における東京タワー」の社会的役割を果たすべく、日本の産業界に埋もれた感動のドラマをビジネスとしてクローズアップさせブロードバンド版プロジェクトXを目指していきたいと存じます。ブロードバンドタワーは、ネットシネマに続く本プロジェクトの推進によって、単なるWebサーバホスティングとネットワーク接続性を提供する従来型のiDC(インターネットデータセンター)事業を超えて、ブロードバンドコンテンツ制作・配信という新たな収益モデルを確立致します。

 以上に述べさせて頂いたように、IRIグループは、放送業界の秩序と放送文化を守りつつ、新しいブロードバンド文化を創造していくことを新たな課題として取り組んでいく所存であります。

2004年4月7日
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 藤原 洋

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