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所長コラム

新年のご挨拶

藤原 洋

 皆様へ

 新年あけましておめでとうございます。

 旧年中は、大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。さて、数年前から変調をきたしていた国際資源市場や米国金融市場は、昨年後半から、世界の金融危機へ、また、世界の経済危機へと発展しております。これは、1929年の世界恐慌以来の経済危機であると言われていますが、私自身は、1989年のベルリンの壁崩壊とは異なる性質の、また、それ以上の地球規模の大変動が起こっていると認識しております。

 18世紀にイギリスから始まった産業革命は、イギリスでの動力革命、19世紀にドイツから始まった重化学工業革命へ、そして20世紀にアメリカから始まったデジタル情報革命へと発展してきました。そして、私たちもその担い手として、昨年12月創業12年を迎え、日本のインターネットのインフラ構築に尽力してまいりました。

 しかしながら、過去の産業革命は、利便性を提供すると同時に、必ず、歪ももたらしてきました。今回のデジタル情報革命の進展は、金融工学の一人歩きを許したために、投機マネーによる世界的経済災害をもたらしました。

 特に欧米金融資産の喪失は、世界経済の欧米消費依存型の構造変化をもたらすと共に、新たな技術革新による新産業革命を時代が求めていると思われます。このような背景から、昨年11月18日に第45代米国副大統領のアル・ゴア氏と国内で活躍中の第一線の研究者をお招きし、「デジタル情報革命から環境エネルギー革命へ」(慶應義塾・藤原地球環境基金主催)というテーマでのシンポジウムを開催しました。世界経済危機は、さらに深刻さを増すと予測されておりますが、同シンポジウムでの有意義な議論をふまえ、こういう時代こそ、私たち科学技術に関わる者の責任において、新たな産業革命を先導し、新産業の創出へ向けて尽力していきたいと考えております。また、この点につきましては、本年春に、岩波書店から久々に著作物の発刊を予定しております。

 本年も引き続き、ご指導・ご協力の程お願い申し上げます。

2009年元日
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 藤原 洋

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