平成13年4月10日
各位
株式会社 インターネット総合研究所
(コード 4741 東証マザーズ)
IRIが、Bluetooth関連基盤ソフトウェアを有するOINA社に出資
~ 連結子会社タウ技研との協業により、
ユビキタスネットワークにおける基盤技術の提供を指向 ~
株式会社インターネット総合研究所(代表取締役所長:藤原 洋、本社:東京都中央区、
以下IRI)は、Bluetooth[注1]のプロトコル・スタック[注2]で、既に日米の主要なPCメーカーや家電メーカー等の採用が決まっているソフトウェア製品に関する知的財産権や全世界販売権、改変権を有するOpen Interface North America, Inc.(代表取締役:三浦 才幸、
CEO:佐川 明美、本社:米国ワシントン州シアトル市、以下OINA社)に対して、4月中旬を目処に$1,250,000の出資をし、OINA社の第二位の株主となります。
また、IRI連結子会社のタウ技研株式会社(代表取締役社長:山田晃司、本社:東京都豊島区、以下タウ)とOINA社とは、Bluetooth関連事業を柱として業務提携することにつき、基本合意に至っております。
OINA社のBluetooth関連資産と経営体制
OINA社が保有するBluetoothのプロトコル・スタックは、元々はオープンインタフェース株式会社(代表取締役社長:純浦 誠、本社:神奈川県横浜市、以下OIJP社)が開発しました。このプロトコル・スタックは、Bluetoothの規格標準化団体であるBluetooth SIGが公表している13種類のプロファイルのうち、10種類に対応しております。
OIJP社は、このプロトコル・スタックを、富士通をはじめ、日本の大手PCメーカーにライセンス供与しており、既に、富士通は世界で初めてBluetooth技術を標準搭載したパソコンを製品化し、販売が始まっております。また、他の電子機器および家電や通信事業者、自動車メーカーとの開発に着手しており、Bluetooth技術実現の共同作業も始まっております。
OINA社のCEOには、日米両国のマイクロソフト社で製品マーケティング・マネジャーをつとめ、戦略的マーケティングと製品企画に関する広範な経験を有する佐川氏が就任致しております。
株式の取得理由
これまでのネットワークは、パーソナルコンピュータとIPv4を基盤技術とする電話線と専用線による技術であったため、ユーザー層が限定されておりました。
ブロードバンド、モバイル【広域移動通信】、ノマディック【半移動型無線LAN】、ユビキタス【Bluetooth型短距離無線】、IPv6等を基盤技術とする新たなネットワークに進化すると、ユーザー層が大衆化すると同時に機器間ネットワークが実用化されるため、産業・交通分野等にもインターネットが広く利用されるようになると、IRIは認識しております。
既にIRIは、コア事業たるブロードバンド・インターネット・インフラ事業と連携する「ユビキタス・プラットフォーム[注3]事業」を新たな事業の柱とするために、タウを同事業の中核会社として位置付け、ネット対応情報家電に関する技術開発・実装等の準備を進めております。
OINA社が保有するBluetooth技術に、IRIが保有するInternetProtocol関連技術を付加することにより、ユビキタス・プラットフォームの基盤技術たるBluetoothとIPv6とを実践的に技術開発・応用することが可能になると考えております。
尚、IRIグループとOINA社との協業については、Bluetoothの移植作業(Porting)をタウがOINA社から受託することを始めとして、具体的な検討を開始した段階にあるため、現時点でのIRIグループの業績への影響は軽微なものと考えます。
[注1]Bluetoothとは?
Bluetoothは、携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、スキャナー等のパソコン周辺機器、デジタル家電、自動車等を無線でネットワーク化することが可能な、今後の近距離通信手段の本命と目されるネットワーク技術です。Bluetooth規格は、標準化を推進しているBluetooth SIGにより策定されており、高度な相互運用性と低消費電力という特徴を有し、2.4GHz帯を利用して、最大伝送距離10m~100m、最大伝送速度1Mビット/秒を実現しています。なお、Bluetooth SIGには、全世界で2,000を超える企業・団体が参加しています。
[注2]プロトコル・スタックとは?
個人ユーザーでも容易にインストール出来るパッケージ・ソフトウェアと異なり、プロトコル・スタックはLSI(大規模集積回路)に内蔵されるか、オペレーティング・システムに組み込まれるソフトウェアです。このため、プロトコル・スタックは製品出荷後にソリューション設計のコンサルティング、ユーティリティ・ソフトウェアのカスタマイゼーション、移植(Porting)および統合・相互運用性テストと、さらにテクニカル・サポートが必要となります。
[注3]ユビキタス・プラットフォームとは?
Ubiquitous(形容詞)とは、元来「同時にいたる所に存在する」という意味で、Mobile〔(形容詞)「移動可能な、動かしやすい」という意味〕が人間の移動を主体にしているのに対して、無数に分散設置されたすべての機器間のコミュニケーションを想定した用語です。
このより広い概念に基づき、各種端末機器、制御装置、およびネットワーク機器の基本となる要素技術の集合を、『ユビキタス・プラットフォーム』と呼んでいます。
*OINA社の会社概要等は別紙のとおりです。
別紙
(Open Interface North America, Inc. 会社概要)平成13年4月10日現在
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本件に関するお問合せ
株式会社インターネット総合研究所
経営戦略室 広報 神田裕代
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FAX:03-3548-6162
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