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所長コラム

株主の皆様へ(第53回)

創業10周年の転換点を迎えたIRIグループの経営状況について
~第9期(2005年6月期)決算発表から第10期(2006年6月期)業績予想へ向けて~

藤原 洋

 野分の頃、朝晩には秋の到来を感じる今日この頃ですが、株主の皆様におかれましては、上場当初から、また過去約5年にわたる先行投資/成長期を通じて格別のご支援を賜り誠に有難うございます。ご存知のように、去る8月29日に、第9期の決算発表会を開催致しましたが、明らかに新たな経営フェーズに入ったという印象を持ちました。現在、私は、短期間ではありますが、有限責任中間法人ブロードバンド推進協議会のご招待で、中国インターネット協会総会での講演、中国のインターネット関連行政/業界との交流目的で北京に来ております。また、帰国後の来週から、これまで子会社上場やTOBなどのためにできなかった機関投資家の方々とのミーティングがぎっしりと入っております。通常、決算説明会は、平日のビジネスタイムに開催せざるを得ないため、どうしても直接決算説明や経営方針説明の機会の少ない個人株主様に対しては、当社の現状をより把握して頂くために、今回は、北京からインターネットを通じて、第9期決算と第10期業績予想の背景について、ご報告させて頂きたいと存じます。

1.当社の第9期を振り返って

 第9期は、以下の目標に向けて取り組んでまいりましたが、ほぼ所定の成果が得られたと総括しております。(株主の皆様へ第33回参照)

(1) 最初のコア事業インターネット・データセンター事業を進化させたブロードバンド配信データセンター事業会社である株式会社ブロードバンドタワー(以下、BBTower)の黒字幅拡大と株式上場

・データセンター事業の安定成長とブロードバンド配信事業の基盤整備による営業利益の増加【294百万円(第8期)→628百万円(第9期)】
  ・8月3日大証ヘラクレス上場(大証システム増強のため6月下旬予定を変更)

(2) 二番目のコア事業であるIPプラットフォーム事業を担う株式会社IRIユビテック(以下、IRIユビテック)の成長型ビジネスモデルへの転換と株式上場
・映像機器の受託生産型からモバイルユビキタス機器の研究開発型への転換による営業利益の増加【430百万円(第8期)→502百万円(第9期)】
  ・6月14日大証ヘラクレス上場

(3) 三番目のコア事業であるIPネットワーク事業を担う営業赤字▲6億円の株式会社IRIコミュニケーションズの(以下、IRI-Com)通期黒字化

⇒・営業利益の改善【▲609百万円(第8期)→117百万円(第9期)】

(4) 連結経常利益4億円以上の確保

⇒・連結経常利益【▲600百万円(第8期)→523百万円(第9期)】

 このように、今回の第9期決算は、上場以来初の営業・経常・当期利益の黒字達成となり、期首の四大目標をほぼ達成できたと考えておりますが、これもひとえに5年にわたる先行投資/成長期間の株主の皆様によるご支援の賜物であり、ここに改めて御礼申し上げます。第9期決算説明会の雰囲気は、前回と明らかに異なり、非常に多くの金融機関・機関投資家のアナリストの方々が参加され、説明会後も個別に非常にご熱心な質問を頂き、当社の事業展開への高い関心と強い期待を感じました。

2.第10期の展望について

 第10期は、いよいよ創業10周年の年として、上場子会社3社の業績拡大と未上場子会社4社の業容拡大をコアとして早期に連結売上1000億円、連結経常利益100億円以上を目指す企業グループの準備に入りたいと考えております。そのためのステップとして、第10期としては、以下の目標を掲げたいと存じます。

(1) 株式会社アイ・エックス・アイ(以下、IXI)の顧客基盤をコアとしたエンタープライズ市場へのIPネットワークソリューション/サービスの技術開発と事業基盤の整備
(2) インターネット技術の先進企業グループとして、ポスト・ブロードバンド/ポスト・モバイル3G/ポスト放送に関する技術開発と事業基盤の整備
(3) 以上の技術開発と事業基盤整備によって以下の連結業績予想を達成すること

【連結】 売上:46,300百万円 営業利益:1,800百万円 経常利益:1,650百万円 当期利益2,200百万円

  株主の皆様のご支援により、お陰様で第9期には、連結決算において、トリプル利益を計上することができましたが、当社グループに与えられたミッションは、利益目標の達成だけでなく、IP技術によってこれまで存在しなかった、社会に有用なサービスと製品を産み出すことにあると考えております。この当社グループのミッションをご理解頂いている顧客からのご支援とプロフェッショナルな経営陣と従業員の努力によって達成された、貴重な第9期の三桁(億円)の売上と一桁の利益を、第10期からは、さらに一桁増やす挑戦を続けてまいります。第10期は、新たにIXIが連結対象となったこと、BBTowerも上場に伴う関連経費とオフィス移転費が発生するため、一時的に数字上では利益率が若干低下する年度となりますが実質成長が続くこと、IRIユビテックが研究開発型モバイルユビキタスビジネスモデルへのシフトにより本格的な売上利益成長フェーズへ入ること、およびIRI-Comの黒字転換後の成長期に入ること、株式会社プロデュース・オン・デマンドによるIP放送プラットフォーム事業の本格展開、株式会社IRIコマース・アンド・テクノロジーによる自動車IT関連事業の拡大などから、当社グループにとっての大きな転換点となる予定であります。この創業10周年を迎える記念すべき第10期に、株主の皆様には、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
  また、ご多忙かとは存じますが、是非とも、9月22日開催予定の当社定時株主総会へご出席を賜りますようお願い申し上げます。

2005年8月31日
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 藤原 洋

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