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所長コラム

株主の皆様へ(第54回)

株式分割終了後のIR活動再開のご報告
~第10期の事業開始とIR活動の意義について~

藤原 洋

 世界的な台風シーズンの到来で、世界各地で台風による被害のニュースが絶えない中、株主の皆様のご無事をお祈りいたしますと共に、当社グループが推進する主として自然災害対策のためのホームランドセキュリティ技術を一日も早く確立する使命感を感じております。さて、ご存知のように、株式分割の効力発生(8月19日)に伴う子株還流と第9期の当社の決算発表を終え、株主の皆様には、40万超の発行済株式数を誇る企業になることができましたことを改めて御礼申し上げます。また、子会社上場やTOBなどにより、しばらく中断していた機関投資家の方々とのミーティングを、今週から再開し、様々な反応を頂きましたので、ミーティングに参加されていない株主の皆様に当社の現状を把握して頂くために、ご報告させて頂きたいと存じます。

1.今回の株式分割の終了について

 第43回のコラムで述べたように、当社にとっての株式分割の基本には、「1株の株主になって頂いた株主の方」と「新たに1株の株主になって頂く方」への想いがあります。株式は、売買されて初めて市場が成立しますが、当社の成長性や経営ビジョンを評価して頂き、1株の株主になって頂いた方に、永久に当社の株式を保有下さいという、一方的なお願いは原理的に不可能であると思っております。しかし、仮に株式を保有頂く中で、保有と売却ということを両立して頂くチャンスを創る手段があるとすれば、それが株式の分割であると考えております。これは、私共にとっても「ずっと当社の株を保有し続けて下さい」という無理なお願いを聞いて頂ける可能性を産むことになります。1株が2株になった時、その株主の方は当社の株主でいて下さると共に、新たな1株の株主が誕生するという構図ですが、勿論2株とも保有して頂くとさらに有難いことですし、さらに時間が経って4株になった時に、たとえば1株を新たな株主様にお譲り頂くことも考えられます。
 お蔭様で、数年後の当社の連結業績の黒字化に向かって具体的な新経営体制を発表させて頂いた2002年9月の定時株主総会を分岐点として、当社の企業価値に対する評価が高まってまいりました。第8期中と第9期とであわせて3度にわたる1:2の株式分割をさせて頂き、上記の株主の皆様に対する想いがそれなりに通じた3年間であったと考えております。2005年8月下旬~9月上旬にかけては、3年前から今日に至る株主の方々には、当社の企業価値上昇の一部を我が子の成長のようにお喜び頂くと共に、新たな方々に株主なって頂くことができたと考えております。その意味で、ここ2週間ほどの期間は、株式分割に伴う、新たな株主様をお迎えする期間であったと考えております。一部の株主様からは、MSCB発行に伴う株式市場への影響の有無に関するご質問を頂いておりますが、本件に関しましては、担当証券会社とも連携をとっており、直接的な影響がないように社債の転換と転換後の株式の取り扱いを行って頂いております。

2.今期(第10期)の業績予想発表後のIR活動の再開について

 今週から再開した機関投資家の方々向けIRミーティングですが、これには、大別すると3つの形式が存在します。第1は、One-On-Oneというもので、機関投資家1社と個別に説明・質疑応答を行うものです。第2は、スモールミーティングと呼ばれるもので、機関投資家数社~10社以内の程度の規模で会議室に収まる範囲で説明・質疑応答を行うものです。 第3は、コンファレンスと呼ばれるもので、数10社~100社程度の機関投資家が、参加している事業会社(数10社~100社程度)を何社か選び、ミーティングのアポイントをとるもので、One-On-Oneと同じように、選んでいただいた機関投資家にプレゼンテーションと質疑応答を行うものです。今週から再開したIRミーティングは、これら3つのパターン全てに対応しており、これまで行った一連の活動では、新規上場直前に匹敵する規模で、上場後最大規模となっております。これらは、新規上場時と大きく異なる点は、以下の3点に集約できます。

(1) アレンジ担当証券会社が国内・海外複数に及ぶこと
(2) ミーティング先が、証券系・銀行系・生命保険系・損害保険系・独立系など多様性があること
(3) MSCB担当証券会社アレンジの回数が多いこと

 今回のぎっしりと詰まったIR活動のスケジュールは、まだ始まったばかりですが、これまでの黒字化前のビジョン主体の定性的なIRとは異なり、黒字化後は、連結PER、連結PBR、および連結上場子会社の時価総額に関することなど定量的な質問が多いという印象を受けました。関心事としては、二度目以上の機関投資家の方々からは、「今回の業績予想は、どの程度控え目なのか?」、今回初めての機関投資家の方々からは「東証マザーズ第1号で上場したことだけは、知っていたが、その後の経緯は、どうしても時価総額大型株中心にならざるを得ず、正直、着目していなかった。5年間での御社の成長ぶりを初めて認識した」、両者に共通していたのが「連結売上1000億円はいつ達成し、その時の利益水準はどのくらいか?」というものが主体でした。

 8月下旬~9月上旬の株式の取引状況を見ますと、前に述べたような背景から株式分割に伴うの個人株主様による取引が主体であるのではないかと個人的に考えておりますが、今週から再開した一連のIR活動の狙いは、MSCBによる転換社債も含めて大規模・長期保有される機関投資家の方々に注目して頂くことにあります。このまたとないチャンスを活用して、当社グループの黒字体質の定着化と成長性について、厳密で定量的な経営に対する評価を行って頂き、当社の経営に反映させていきたいと考えております。

 第10期は、いよいよ創業10周年の年として、連結売上:463億円、営業利益:18億円、経常利益:16.5億円、当期利益22億円を予想する、大きな転換点を迎えると考えております。また、同時に、今週より再開したIRミーティングを通じて、個人株主様と同様に、機関投資家の方々からの期待も早期の連結売上1000億円、連結経常利益100億円以上を目指す企業グループになることとの印象を受けました。 ここしばらく、私自身は、IR活動に大半のエネルギーを使う所存ですが、株主の皆様には、尚一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
 重ねて、ご多忙かとは存じますが、是非とも、来る9月22日開催予定の当社定時株主総会へご出席を賜りますようお願い申し上げます。

2005年9月6日
株式会社インターネット総合研究所 代表取締役所長 藤原 洋

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